議会質問

eスポーツの振興についての質問

2021年09月08日

最近、ニュースでも報道されていましたが、西日本最大のeスポーツスタジアムが天神にオープンをしました。また、ここ数年、テレビ番組でもeスポーツというワードをよく耳にすることが増えてまいりました。しかしながら、実際の認知度はまだ高くなく、私も含め、多くの方々が理解度は深くないとも感じています。
 今回は、eスポーツの振興、関連産業についてお聞きをしていきたいと思います。
 まず初めに、eスポーツといえばゲームを想像されるかと思いますが、福岡市ではゲーム産業を含むクリエイティブ関連産業の振興に力を入れておられます。ゲーム産業分野ではどのような取組を行っているのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

ゲーム産業分野の取組についてでございますが、福岡市はクリエイティブ関連産業が集積、拠点化しており、都市の成長の原動力となっております。福岡市が強みを有するゲーム産業をさらに発展させるため、平成18年に市内のゲーム開発会社が中心となって発足した業界団体であるGFFと九州大学、福岡市の3者が連携した福岡ゲーム産業振興機構を発足いたしました。福岡ゲーム産業振興機構は、日本で初めて設立されたゲームに関わる産学官連携組織で、ゲーム関連の人材育成や市場開拓を行い、地元ゲーム関連産業の振興に取り組んでいるところでございます。

地元にゲーム関連産業が集積をしているということでありますが、福岡市内に本社を構えるゲーム開発会社について説明をお願いいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

福岡市内に本社を構えるゲーム開発会社につきましては、GFFの幹事会社である株式会社レベルファイブ、株式会社サイバーコネクトツー、株式会社ガンバリオンなどがございます。また、eスポーツのタイトルにも使われるレーシングゲーム、グランツーリスモを開発する株式会社ポリフォニー・デジタルが福岡市に開発拠点を構えております。

私は大変意外に思いましたが、平成18年より産学官連携で本市もゲーム産業に力を入れており、また、本市内にも幾つもの関連企業が拠点を構え、活動をされています。そして、本市経済の発展にも大きく寄与しているかと思います。
 これまでの取組によって、市内の雇用、そして、どのような成果が上がっているのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

これまでのゲーム産業振興の取組による成果につきましては、福岡市のゲーム関連企業数と従業者数を福岡ゲーム産業振興機構が誕生した平成18年と現在とで比較すると、企業数は12社から34社と約3倍に、従業者数は418名から2,088名と約5倍に増加しており、企業誘致やスタートアップ支援によりゲーム関連企業の集積が進んでおります。

ゲーム関連企業数や従業者数が大きく増加しており、他都市に見られないゲーム産業の振興があると考えます。今後とも、さらなる企業誘致やスタートアップ支援を行い、本市が先進都市として国内外にPRをしていくよう要望いたします。
 次に、冒頭でも申し上げましたが、近年、eスポーツが話題となっておりますが、そもそもeスポーツとは何か、御説明をお願いします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

eスポーツにつきましては、デジタルゲームによる対戦型競技を指すエレクトロニック・スポーツの略称でございます。eスポーツで用いられる主なゲームジャンルとしては、格闘系、スポーツ系、レース系、射撃系、戦略系などがございます。

なぜゲームなのにスポーツという名称が入っているのか、説明をお願いいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

なぜスポーツという名称が入っているのかとのおただしでございますが、将棋や囲碁、チェスなどのように高い思考能力を用いて競われるゲームはマインドスポーツと呼ばれ、世界的にはスポーツ競技に位置づけられております。eスポーツも海外ではスポーツ競技の一つとして認知されており、スポーツの国際大会で公式な競技となる動きも広がっております。

それでは、国内のeスポーツ競技の人口や市場規模はどの程度のものなのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

eスポーツの競技人口につきましては、平成30年に海外の調査会社が発表した調査結果によりますと、世界の競技人口は1億人以上と推定されており、そのうち、日本の競技人口は390万人程度とされております。また、市場規模につきましては、令和3年に国内の民間会社が公表した資料によりますと、日本の市場規模は令和2年時点で66億8,000万円程度とされており、令和6年には180億円を超える規模まで成長すると予測されております。

大変大きな市場だと思います。年々競技人口も増え、市場としても拡大をしてきている中で、福岡市立福翔高校では従来からあるコンピューター部が生徒のコミュニケーション能力や判断力、チームワーク力などの向上を目的として、eスポーツを部活に導入されたとお聞きしております。教育機関においてのeスポーツの取り入れに関しましては様々な意見があると思いますが、時間を決めるなど活動のルールを徹底し、文武両道も実践をされているということであります。福翔高校のみならず、高校がeスポーツを部活動の一環として取り入れ、熱心に取り組まれております。
 そうした高校生のために何か全国的な大会が開かれているのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

高校生を対象とした全国的な大会につきましては、全国高校eスポーツ選手権やステージゼロといった大規模なeスポーツ大会が開催されております。なお、ステージゼロにおいては、令和3年に開催された第3回大会では、全国から1,960校、2,234チーム、5,675名の高校生が参加しており、福岡市からこれまでに福岡市立福翔高校や福岡第一高校などが参加しております。

高校の部活にも大変広がっているということであります。
 全国規模の大会が開催されているということは分かりましたが、福岡市内で開催された世界的なeスポーツ大会の事例はあるのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

市内で開催された世界的なeスポーツ大会の事例につきましては、国際的な格闘ゲームeスポーツ大会であるEVO Japanが平成31年2月に福岡市で開催されております。出場者数は約2,500名、来場者数は約1万3,000名となっており、福岡アジア都市研究所の試算によりますと、経済波及効果は11億7,000万円となっております。

スポーツでいうワールドカップクラスの大会が本市で開催されたことは、大きな衝撃でありました。本市には産業が根づいており、高いポテンシャルがあるという証明であります。
 eスポーツ大会は、開催地で大きな経済波及効果をもたらすものだと思いますし、eスポーツの振興は様々な関連産業の活性化にもつながるのではないかと感じます。引き続き大会の誘致等に力を入れていただきたいと思います。
 それでは、本市におけるeスポーツの近況についてお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

福岡市におけるeスポーツの近況につきましては、市内の専門学校でeスポーツ関連人材育成コースが令和元年度に開設され、eスポーツ分野での活躍を目指す学生が増えてきております。また、Sengoku Gamingなどのように地場企業が運営に携わるプロeスポーツチームも多く誕生しており、世界を目指して活躍しております。

eスポーツは世界で盛り上がりを見せています。一方で、国内ではeスポーツへの理解度の低さや、世界保健機関、WHOが新たな疾病としてゲーム障がいを認定するなどゲームに対するマイナスのイメージがeスポーツが普及する上で一つの課題となっているように思います。そこら辺はしっかり市としても広報していただきたいというふうに思います。
 最後に、今後の本市のeスポーツ振興について御所見を伺います。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

経済観光文化局長

eスポーツの振興についてでございますが、福岡市では、eスポーツ専用スタジアムであるeスポーツチャレンジャーズパークといったハード面や、専門学校によるeスポーツ分野の人材育成、企業によるプロeスポーツチームの運営といったソフト面での環境が整ってきており、今後さらにeスポーツの裾野が広がっていくと考えております。福岡市といたしましても、eスポーツを通じた新たなビジネスの創出や拡大を目指し、地場企業とeスポーツ関連企業との交流の場を創出してまいります。また、eスポーツを通じてゲームとの適切な付き合い方を啓発するなど、eスポーツの認知度向上や理解促進に取り組んでまいります。

Page Top

津田信太郎 市政相談所

    〒814-0013
    福岡市早良区藤崎2丁目12-11
    TEL:092-841-1200
    FAX:092-841-1850