議会質問

犬猫パートナーシップ店制度についての質問

2018年06月18日

ペットとして飼われている犬や猫について、最近では家庭動物といった呼び方もされるようですが、かわいがったり、癒しを求めたりするだけではなく、家族の一員として大事にされる方がふえてきているようであります。
一方で、身近なところにペットショップがあるため、子犬や子猫をショーウインドー越しに見て、後先を深く考えることなく衝動的に買ってしまい、飼育放棄に至るケースも間々あるようであります。
平成28年度の環境省の統計によりますと、無責任な飼い主による飼育放棄等、自治体の動物愛護管理センターや保健所に引き取られる犬猫の数は年間12万頭にも上り、その半数がやむなく殺処分されているとのことであります。本市においては、平成25年9月に高島市長が殺処分ゼロへの誓いを宣誓されておられますが、その実現に向け、犬や猫に関する施策の充実を図る必要があると考えます。
そこでまず、福岡市の犬猫殺処分数について、10年前と現在を比較するとどうなっているのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

本市の犬猫の殺処分数につきましては、平成19年度は、犬が349頭、猫が2,799頭、合わせまして3,148頭、平成29年度は、犬が27頭、猫が314頭、合わせまして341頭であり、大きく減少しております。
なお、収容中死亡、感染症等により譲渡不可能な犬猫を除く殺処分として環境省が分類している、いわゆる実質的殺処分数につきましては、犬はゼロ、猫は95頭となっております。以上でございます。

この10年間で殺処分数が大きく減ってきているようでありますが、これまでどのような取り組みをされてきたのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

殺処分ゼロを目指した取り組みとして、市民から犬猫の引き取りを求められた際に、最期まで飼っていただけないか粘り強く説得するようにしたことのほか、猫のマイクロチップ装着、不妊去勢手術の助成、ミルクボランティア事業などに取り組み、適正飼育や飼い主への返還を推進いたしました。
また、譲渡という犬猫を飼い始める際の選択肢として、販売店での購入ではなく、保護された犬猫を飼う方法を推進してまいりました。以上でございます。

ただいまの答弁にあった助成制度とはどのようなものか、お尋ねをいたします。
また、マイクロチップとはどういうものなのか、その効果についてもあわせて御説明ください。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

まず、マイクロチップにつきましては、直径2ミリメートル、長さ1センチメートル程度の円筒形のもので、ペットの体にとって安全性の高い素材でつくられており、専用の注射器でペットの皮下に装着いたします。チップには15桁の固有番号が記録されており、その番号を飼い主とペットの情報が登録されたデータベースへ照会することで飼い主が判明いたしますので、飼い主とペットが離れ離れになってしまった場合に飼い主へ返還することができるものでございます。
次に、猫のマイクロチップ装着、不妊去勢手術の助成につきましては、福岡市内の飼い猫を対象とし、マイクロチップ装着と不妊去勢手術を同時に実施する場合に、1頭につき福岡市から3,750円、福岡市獣医師会から3,750円、合わせまして7,500円を助成するものでございます。
なお、犬猫パートナーシップ店制度の創設を契機として、平成30年度からは助成対象を拡大し、マイクロチップ装着済みの飼い猫に不妊去勢手術を実施する場合も同額を助成することといたしております。以上でございます。

次に、ミルクボランティア事業の目的とその概要をお尋ねします。
また、助成制度については、福岡市獣医師会との協調補助であるということでありましたが、同事業における福岡市獣医師会との連携についてもあわせてお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

ミルクボランティア事業につきましては、犬猫の実質的殺処分ゼロに向けた譲渡の推進を目的として平成28年10月に開始した事業でございます。
動物愛護管理センターに収容される猫の大部分が離乳前の子猫であるため、子猫が2カ月齢程度になるまで市民ボランティアに哺育していただき、哺育後は新しい飼い主へ譲渡しております。
なお、本事業は福岡市獣医師会との共働事業として取り組んでおり、獣医師会では、市民ボランティア育成のための講習会、哺育中の子猫に治療が必要になった場合の診察、哺育終了後の譲渡対象猫の一時預かり及び市民への譲渡などを行っております。以上でございます。

猫に関する助成制度など、福岡市獣医師会と連携、共働しながら、効果的に進められているようです。専門家として高い知見を有する獣医師会との連携は不可欠だと思いますので、今後とも継続をしていただきたいと思います。
それでは次に、犬猫パートナーシップ店制度についてお尋ねをしていきます。
本年度最初の記者会見で高島市長が熱を込めて語っておられましたので、本市としても力を入れている取り組みだと感じております。
そこでまず、犬猫パートナーシップ店制度を設けるに至った経緯についてお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

犬猫の殺処分数や動物愛護管理センターへの収容数は減少傾向にありますが、依然としてなくなってはおりません。また、飼い主へ返還できる犬猫も少なく、保護された犬猫を譲渡により飼うことができることも余り知られていない状況にございます。
このような状況を改善するため、市民が犬猫を飼い始める際に訪れるペットショップなどの犬猫等販売業者の協力を得て、終生飼育の啓発やマイクロチップの装着によって適正飼育を推進し、譲渡の認知度の向上を図ることとしたものでございます。以上でございます。

次に、制度の対象となる犬猫等販売業者は市内に何店舗あるのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

犬猫パートナーシップ店制度を開始した本年4月3日時点で制度の対象となる犬猫等販売業者は121店舗でございます。以上でございます。

現時点での認定店舗数についてお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

犬猫パートナーシップ店制度の認定店舗数につきましては、制度開始時は8店舗でございましたが、その後、4店舗を認定し、現在は12店舗となってございます。以上でございます。

この制度における主な認定基準についてお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

犬猫パートナーシップ店制度の主な認定基準につきましては、まず、最期まで飼うこと、万が一飼えなくなった場合は新たな飼い主を必ず自分で探すことなどを販売時に飼い主に誓約していただくこと。次に、マイクロチップを装着した犬猫のみを販売すること。最後に、犬猫を飼い始める際の選択肢である譲渡の広報に協力することでございます。以上でございます。

認定基準の1つ目に出てきたペットを最期まで飼うこと、これは最も重要なことだと思います。一方で、動物愛護管理センターには、いまだ飼い犬や飼い猫を持ち込む方がいらっしゃると聞いておりますが、その理由を犬猫それぞれお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

飼い主が犬猫を最期まで飼うことができなくなる理由はさまざまでございますが、犬では飼い主の病気、猫では飼っている猫がふえ過ぎたため飼うことができない、が最も多い理由でございます。以上でございます。

次に、認定基準の2つ目であるマイクロチップを装着した犬猫のみを販売すること、これにつきましては店舗に装着が義務づけられることだと思いますが、その手術は誰が行うのか、また、費用は誰が負担するかについてお尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

マイクロチップ装着につきましては、獣医療行為に該当するため、獣医師が行うこととなります。
費用負担につきましては、販売前に犬猫へのマイクロチップ装着を義務づけておりますので、それに要する費用は認定店が負担し、販売前に要した経費は販売価格に含まれることとなり、最終的には飼い主が負担するものと考えられます。以上でございます。

マイクロチップの装着は獣医師が行うとのことでありますが、獣医師会としてこれを推進するため、どのような取り組みを行っているのか、お尋ねいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

獣医師会は、飼い主と離れ離れになってしまう犬猫の数を減らすため、マイクロチップ装着を推奨するとともに、その必要性について普及啓発を実施しているほか、本市と共働で飼い猫のマイクロチップ装着、不妊去勢手術の助成に取り組んでおられます。以上でございます。

それでは、認定基準の3つ目である譲渡の広報に協力すること、これについてお尋ねをいたしますが、具体的には認定店はどのようなことを行うのでしょうか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

認定店は、動物愛護管理センターが行っている犬猫譲渡活動の啓発ポスターを店頭に掲示するとともに、譲渡に興味を持った方への動物愛護管理センターの紹介などを行うこととしております。以上でございます。

これまでの答弁を伺っておりますと、ペットショップが取り組むには非常に高いハードルが課されていると思います。高いハードルであるからこそ、認定後における市のフォローが重要になってくると思いますが、認定店のPRや認定基準を守っていることの確認、このようなことはどのように行っていくのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

認定店につきましては、犬猫パートナーシップ店制度専用の動画やホームページずっといっしょ.com、市政だより、デジタルサイネージなど、さまざまな媒体を活用した広報を継続的に実施してまいります。
認定店に対しましては、定期的な立入検査等により、基準を満たした販売がなされているかを確認してまいります。以上でございます。

さて、この制度は本年4月に開始したばかりでありますが、今月6日に奈良市が本市と同様の犬猫パートナーシップ店制度を開始されたと報じられていました。制度の趣旨に賛同される自治体がふえ、この制度が全国へ広がっていくことを期待します。
次に、犬猫パートナーシップ店制度について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

犬猫パートナーシップ店制度につきましては、犬猫の実質的殺処分ゼロに向けた取り組みの一つとして開始したものでございますが、奈良市においても本市に倣って犬猫パートナーシップ店制度が導入されるなど、制度の趣旨は市外にも広く通ずるものと考えております。
今後の取り組みといたしましては、制度の意義を市内外に広く発信し普及を図ることで、適正飼育を初めとする動物愛護の意識を高めてまいりたいと考えております。以上でございます。

犬や猫を飼うことで、家族や地域の方々との会話もふえ、日々の暮らしが潤ったと感じている方もおられますが、一方では、最期まで飼えず、手放してしまう方もおられます。飼っている犬や猫を幸せにできるのはその飼い主だけであり、命を預かったからには最期まで一緒に暮らしていただきたいと思います。
 犬猫パートナーシップ店制度については、ペットショップなどと連携することで、その理念を広く伝えることが可能である有意義な制度と考えておりますので、殺処分ゼロに向けた取り組みとして今後も推進していただくようお願いいたします。

議会質問

津田
信太郎

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津田信太郎 市政相談所

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