議会質問

新型コロナウイルス対策における福岡市と医師会との連携についての質問

2020年06月18日

今年1月に日本国内において患者が発生して以降、感染の拡大防止に向けて、事業者や市民一人一人が最大限の努力をされておりますが、特に医療機関の医療従事者の方々は感染リスクと厳しい環境の下で、心身に相当な負担がかかる中、強い使命感を持って昼夜を問わず業務に従事されていることに敬意を表するとともに、深い感謝を申し上げたいと思います。
 従来の様々な医療を継続しながら、新型コロナウイルス感染症の対応に多くの資源を投入せざるを得ない状況にある中で、医療システムの維持が危機的な時期もあったと思いますが、幸いにも医療崩壊を起こすことなく、新型コロナウイルス感染症を受けての緊急事態宣言は5月14日に解除されました。しかしながら、新型コロナウイルスとの闘いは依然として予断を許しません。北九州市では、第2波のおそれのある感染の再拡大が起き、医療現場や介護施設等でのクラスター発生も複数報告されています。本市における感染は何とか収まっている状況でありますが、治療に当たる医療現場では常に感染リスクと隣り合わせの中、現在でも全ての医療機関において、緊張感を持ちながら新型コロナウイルスへの対策を継続されています。今後、インフルエンザなどと併せて、再び感染者が急増する場合には、初めに診察を行う地域の医療機関が担う役割がますます大きくなっていくと思いますが、そうした地域の医療機関と行政が円滑に協力していくためには医師会が果たす役割が大変重要であると思います。
 そこでまず、地域医療の充実や市民の健康増進を図るため、日頃から本市と医師会はどのような連携を行っているのか、お尋ねいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

福岡市と福岡市医師会におきましては、急患診療センターや能古、玄界診療所の管理運営、在宅医療に係る啓発など、地域医療の充実を図る取組、また、生活習慣病予防のための健診や各種がん検診、健康づくりイベントなど、市民の健康増進を図る取組、さらに、地域包括支援センターの運営や各種予防接種事業など、医療、保健、福祉各分野の幅広い事業について連携して取り組んでいるところでございます。

平常時から、医師会は市民の健康を守る立場から、行政が行う様々な医療、保健、福祉施策に大きく寄与されていることがよく分かりました。
 次に、今回の新型コロナウイルス感染症への対応に関する本市と医師会の連携について質問してまいります。
 日本医師会では、4月1日、地域の医療提供体制維持のために、独自に医療危機的状況宣言を発表され、その後も随時、国民に対し、感染を拡大しない対策や適切な受診行動に関する周知、啓発をされています。世界中の知見の集積により、徐々に新型コロナウイルスがどういうウイルスであるかが解明されてきておりますが、発生当初は誰も知らない全く未知のウイルスでありました。こうした状況において、新型コロナウイルス感染症は専門の医療機関だけではなく、一般の外来でも診察する可能性があるため、感染拡大を防止し、各医療機関が適切な診察を行っていくには、最新の知見や必要な情報を迅速に伝え、共有していく必要があります。
 市として医療機関との情報共有にどのように取り組んできたのか、お尋ねいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

医療機関に対しましては、中国・武漢市における肺炎の集団発生に関して国が注意喚起を行った1月初旬から、随時、注意喚起や相談、診療などの対応等について周知を行いますとともに、必要に応じて医師会や大学病院なども参加する検討会を開催し、市民相談、検査や医療調整の実施状況、症例などについての情報共有を行っております。以上でございます。

国内で日々感染が拡大する中では、医療従事者を守るマスクなどの感染防護具、また、消毒薬などの物資の不足が大変大きな問題となりました。新型コロナウイルス対応の最前線に立つ医療従事者が感染の危機にさらされることがあってはなりません。
 それでは、地域の医療機関の感染症対策に不可欠な医療物資を十分に供給するためどのような取組を行ったのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

医療物資につきましては、国において一括購入し、医療機関等に優先配布されることとなっており、医療機関の需要を踏まえて国に配布を要望するとともに、本市に寄贈されたマスクや購入した防護服等については、医師会を通じて医療機関に配布を行っております。

感染の拡大を防ぐには、とにかく早く患者を発見し、隔離することが非常に重要であり、そのためには検査体制の拡充が急がれます。
 そこで、検査が必要な方がスムーズにPCR検査を受けられる新たな取組として、自治体と医師会等の連携による地域外来・検査センターの導入が全国で進められています。
 まず、本市における地域外来・検査センターの概要と設置に至る経緯について御説明ください。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

地域外来・検査センターにつきましては、福岡市医師会への委託により、主に地域の診療所等から紹介があった患者のPCR検査をドライブスルー方式で実施しているものでございます。設置の経緯につきましては、帰国者・接触者外来の増設について市医師会と協議を行っていたところ、4月に地域外来・検査センターの設置に関する国の補助制度が創設されたため、そのスキームの活用も含めて市医師会と協議を重ね、5月に開設に至ったものでございます。地域外来・検査センターにつきましては、6月に3か所の増設を行い、計4か所となっております。

地域外来・検査センターを設置したことによる効果についてお尋ねいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

地域外来・検査センターの設置によりまして、本市における検査能力が高まるとともに、地域の診療所等から保健所を介さずに検査につなげる仕組みができたことで、より検査を受けやすい体制が整備されたものと考えております。

現在、増設した分を含めると地域外来・検査センターは4か所になるということでありますが、第2波に備える検査体制として、それで十分と言えるのでしょうか。今後さらに増やす予定はあるのか、お尋ねいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

地域外来・検査センターのさらなる増設につきましては、今後の患者の発生状況や当該センターの稼働状況等を踏まえながら適宜検討を行ってまいります。

先ほどの答弁では、本市が設置している地域外来・検査センターは、ドライブスルー方式により行っているということであります。ドライブスルー方式は、個人の車内で検体の採取ができるため、対象者との接触が少なく、スピーディーに検査ができるというメリットがあると思いますが、一方で、運転免許証を持たない方が利用できないという問題もあります。
 運転免許証を持たない方でも地域外来・検査センターを利用できるよう改善すべきと考えますが、御所見を伺います。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

地域外来・検査センターに車でお越しいただくことができない方につきましては、保健所に相談の上、帰国者・接触者外来において検査を受けていただいております。今後とも、検査を受けられる方の事情に応じた、より検査を受けやすい仕組みについて検討をしてまいります。

我が会派が6月3日に提出した提言では、タクシー協会との協議の上、タクシーを利用した検査受診への対応についても求めたところであります。この点についても、しっかり対応されるよう改めて要望いたします。
 地域外来・検査センターを整備し、検査体制を拡充しても、市民やかかりつけ医などがどのような場合にどこでPCR検査を受けられるか、正しい情報を知らなければ意味がありません。
 市民や地域の医療機関に対する周知、広報をどのように行っているのか、お尋ねいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

検査の流れにつきましては、福岡市ホームページや市政だより、チラシの配布等により広く周知を図っているほか、新型コロナウイルス感染症相談ダイヤルにおいてもお知らせしております。また、医療機関に対しましては、地域外来・検査センター利用に関する要領などについて、市医師会と連携して広く周知を行っているところでございます。

よろしくお願いします。
 緊急事態宣言は解除されましたが、切り札となるワクチンや治療薬が開発されるまでは新型コロナウイルスとの先の見えない闘いは続きます。世界的にもパンデミックの第2波到来に対する危機感が強まっており、専門家の間でも第2波は必ず起きるという考えが常識となっております。医療崩壊を起こすことなく、何とか第1波は乗り切りましたが、第2波への備えは不可欠であります。しかしながら、現在、市内の医療機関において、新型コロナウイルス感染症の事態の長期化や受診控えなどにより経営が悪化している状況があり、内側からの医療崩壊が懸念されます。こうした事態を招かないためにも、医療機関の経営支援について国に働きかけなどを行うよう要望いたします。
 もちろん私たち一人一人も努力することが必要であります。3つの密を徹底的に避けることや人と人の距離の確保、マスクの着用、手洗いなどの基本的な感染予防を行う新しい生活様式を続けていくことが大切であります。しかし、再び感染が拡大した際に、市民の命や健康をしっかり守っていくためには、医師会を中心とした地域の医療機関が果たす役割は非常に大きいと考えます。
 最後に、今後の第2波、第3波への対応について医師会とどのように連携していくのかお尋ねして、この質問を終わります。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

保健福祉局長

感染拡大の兆候を捉えて迅速に対応するためには、患者を早期に発見し、適切な医療につなぐ検査、医療体制の整備が重要であると考えております。そのため、引き続き地域外来・検査センターの運営、新たな制度や症例等の情報共有を行うとともに、かかりつけ医の診療体制づくりなど、福岡市医師会との一層の連携を図ってまいります。

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津田信太郎 市政相談所

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