議会質問

場外観光市場設置に向けた取り組みについての質問

2015年10月13日

本市の中央卸売市場は全国でも有数の取扱量を誇り、九州・西日本の拠点市場として消費者へ安定的に生鮮食品を提供するという大きな役割を担っている。卸売市場は市民にとっては毎日の食卓を支える台所的な存在であり、福岡を訪れる観光客にとっては食べ物が新鮮でおいしいまち・福岡の魅力を陰で支える重要な存在である。本市では現在、観光・MICEに積極的に取り組んでいるが、その効果もあって外航クルーズ船の寄港数も激増する見込みであり、海外からの観光客に福岡の食を売り込む大きなチャンスとなっている。しかし、市内にはクルーズ客などを乗せた観光バスを受け入れられる食事どころや食の観光拠点が余りないのが現状であり、受け入れ体制の一つとして、東京築地のような場外観光市場があれば、クルーズ客や観光客だけではなく、市民も新鮮な魚料理など福岡のおいしい食べ物を食し、さらに鮮魚や乾物、野菜、肉などのいろいろな食材を一つの場所で買い求めることができる。また、福岡の魚、野菜、肉の消費がふえれば、第1次産業の将来に明るい展望の光が差すことになる。現在、本市の農業、水産業は担い手が減少している状況にあるが、福岡の市場を経由した魚、野菜等が安定的に高く売れるようになれば、生産者の所得も上がるのではないか。観光客が消費したお金が生産者に還元され、さらに中央卸売市場の業界全体が潤うよう、しっかり取り組んでいく必要があると考える。そのためには、新たな消費の出口が必要となり、その大きな一つが、JAや漁協などが運営する直売所や道の駅などの市場外流通の形態ではなく、安全で安心な生鮮食料品を安定供給している卸売市場を経由し、市場流通も活性化させる場外観光市場だと考えている。場外観光市場の設置に向けては、まずは本市の農業、水産業を支える市場関係者、具体的には荷受けの卸売業者、仲卸や小売の各団体が共通認識を持って一体となって取り組んでいく必要があり、そこに生産者が絡み、行政が支援をしていく体制が理想であると考えている。中央卸売市場取扱高について、26年度の各市場の取扱数量、取扱金額並びに5年前との比較はどのようになっているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

青果市場、西部市場及び東部市場の青果部3市場合計の取扱数量と取扱金額について、26年度の取扱数量は32万4,707トンで、21年度比7.9%の増、取扱金額は638億2,400万円で16.9%の増である。食肉市場については、26年度の取扱数量は2万2,956トンで、21年度比26.3%の増、取扱金額は213億3,600万円で75.3%の増である。鮮魚市場については、26年度の取扱数量は7万8,554トンで、21年度比23.6%の減、取扱金額は466億7,200万円で11.1%の減となっている。なお、鮮魚市場は取扱数量及び取扱金額ともに減少傾向にあったが、26年度は、前年度と比較して、数量、金額ともに増加に転じている。

鮮魚市場において、今後さらに取扱高をふやすためには何よりも消費をふやす取り組みが必要であり、特に観光客や市民に対して直接消費を促すことが大変重要と考えるが、現在どのような取り組みを行っているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

鮮魚市場での消費を促す取り組みとして、毎月第2土曜日に、仲卸売場棟など市場の一部を開放し、魚の販売や料理教室などのイベントを開催する市民感謝デーを実施している。また、鮮魚市場会館1階の飲食店及び土産店を常時市民や観光客に開放しており、多くの方々に利用いただいているところである。

鮮魚市場会館1階の飲食店は、近年来場者がふえ、観光の魅力の一つとなっているものの、受け入れ環境の面で評価すると、駐車場はある程度確保されているが、多数の観光客が同時に食事できる規模ではない。都心に近い鮮魚市場の好立地を生かし、さらに消費増に向けて、観光客や市民を受け入れる食の拠点づくりが必要となっている。昨年、大阪や高知の場外市場を視察したが、それほどぜいたくな施設ではなくても、受け入れの規模がある程度あれば、観光の魅力は倍増し、何より都心に近い立地であれば観光客も訪れやすいと考える。本市には柳橋連合市場があるが、残念ながら周辺に駐車場がないため、観光で連れていきにくい場所となっている。その点、鮮魚市場であれば、来客者用の駐車場があり、しかも、福岡を代表する魚の魅力や新鮮なイメージが直接伝わると思う。そうしたことから、鮮魚市場に隣接する場所に場外観光市場が設置されることが望ましく、それにより魚食の振興や普及、水産物の消費をふやすことにつながると考えるが、どうか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

鮮魚市場の隣接地に場外観光市場が設置されれば、観光客や市民にとっても魅力ある観光スポットになるものと考える。また、鮮魚市場の活性化や市場の取扱量の増加も期待されるが、小売業者などの市場関係者への影響も考えられることから、鮮魚市場関係者の意見を十分に聞きながら研究していく。

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津田信太郎 市政相談所

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