議会質問

中央卸売市場における高度衛生管理体制についての質問

2015年10月13日

本市の中央卸売市場が今後とも九州・西日本の拠点市場として発展していくためには、市場の機能をさらに高め、他都市の市場との差別化を図り、多くの消費者の信頼を得ることが重要と考える。平成28年2月にはアイランドシティに新青果市場が開場する予定となっているが、どのような市場ができるのか市民は大きな期待を寄せている。新青果市場整備事業について、過去3年間の決算額はどのようになっているのか。

議会質問

津田
信太郎

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農林水産局長

24年度は56億5,092万円余、25年度は13億6,765万円余、26年度は75億8,632万円余となっている。

新青果市場はどのような特色を持った市場になるのか。また、新市場における高度衛生管理体制はどのようになっているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

新青果市場の特色については、全国に先駆けてコールドチェーンの充実を図った市場であること、また、自然採光や自然換気、LED照明を積極的に導入するとともに、大陽光発電設備の設置など再生可能エネルギーを活用した市場であること、さらに、アジアへの青果物の輸出促進に向けた立地的優位性を有した市場であることなどが挙げられる。高度衛生管理体制については、卸売場面積の8割以上を密閉式の定温卸売場として整備するとともに、出荷前検査の拡充などによる残留農薬検査の充実強化を図ることとしている。また、排気ガス等による青果物の品質や衛生環境への悪影響を取り除くために、フォークリフトなどの市場内運搬車両の電動化を推進するなど、衛生管理の徹底を図ることとしている。

当然ながら、市民が求めているのは食の安全安心であり、市場で取り扱う野菜、果物、食肉、魚などの生鮮食料品は何よりも鮮度や品質の維持管理が重要である。新青果市場では、全国でもトップクラスの規模のコールドチェーン対応の卸売場が整備されるだけではなく、残留農薬検査の充実強化や環境への配慮等にもしっかり取り組まれるということであり、大いに期待している。食肉市場や鮮魚市場においてはどのような高度衛生管理の体制となっているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

食肉市場においては、12年度の移転開場にあわせて、当時、食肉市場としては日本初のISO9001の認証を取得しており、屠畜業務を運営する卸売会社が屠畜の解体から部分肉の加工までの作業工程ごとに詳細なマニュアルを作成し、手洗いや消毒、温度管理の徹底など、衛生管理の高度化に取り組んでいる。鮮魚市場においては、市場の西側に魚の乾燥を防ぐためのシャッターを備えた卸売場を整備したほか、貝類、生ウニなどを定温管理する卸売場なども整備している。また、27年度からは市場の東側の卸売場を中心に、より高度な衛生管理のための施設整備を行う高度衛生管理整備事業に取り組むこととしている。

鮮魚市場では27年度から高度衛生管理整備事業に取り組んでいくとのことだが、高度衛生管理整備事業の内容とその効果を尋ねる。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

高度衛生管理整備事業の内容については、市場の東側に位置する開放型の卸売場をシャッターの設置により閉鎖型の卸売場に整備するとともに、市場西側の卸売場に防鳥ネットを設置するほか、市場内運搬車両の電動化に向けて充電設備の設置を予定している。事業の効果については、卸売場における排気ガスや粉じん、直射日光、鳥の侵入等の危害要因が取り除かれ、鮮度保持や品質向上を図ることで、市民により安全安心な水産物の供給が可能となり、また、生産者にとっては魚価の上昇が期待できるものと考えている。

高度衛生管理のために運搬車両の電動化を進めていくとのことだが、電動運搬車両への買いかえなど、各事業者の負担がふえる懸念もある。新青果市場においては、27年度事業として運搬車両の電動化に向けた支援を行っているが、具体的にどのような支援内容となっているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

新青果市場においては、排出ガスを低減し、市場内の衛生環境の向上を図ることを目的に、新市場への移転統合にあわせて、各事業者が導入する電動車両の購入またはリースに係る経費の一部に対して補助を行うこととしている。

新青果市場の場合、3市場の移転統合という事情もあるが、業界からの要望を受け、市場関係者の負担を軽減するための支援策が実施されている。鮮魚市場においても、今後、市場内のターレットやフォークリフトといった運搬車両の電動化を円滑に進めるためには事業者への何らかの支援が必要と考えるが、所見を伺う。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

鮮魚市場においては、運搬車両の電動化に必要な充電設備の設置に向け、現在、設置場所や設置数等について市場関係者と協議を行っているところである。電動化に向けた支援のあり方については、電動運搬車両の導入費用などを考慮し、高度衛生管理整備事業を実施する意義を踏まえ、総合的にその必要性について考えていく。

鮮魚市場の中でも仲卸売場は夏場に温度が高くなることや、排水が流れにくい場所があると聞いている。今回の高度衛生管理整備事業は卸売場を対象としているが、卸売場だけではなく、仲卸売場を含めた鮮魚市場全体として高度衛生管理の取り組みを進めるべきと考えるが、所見を伺う。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

農林水産局長

高度衛生管理の取り組みを効果的なものとするため、仲卸売場についても温度や排水などが水産物の鮮度保持や衛生管理に影響を及ぼすことがないよう、実態を把握した上で、対策について検討していく。

本市の鮮魚市場は、他都市の中央卸売市場とは一線を画す大きな特色がある。水産物の取扱品目には鮮魚、冷凍品、塩乾物の3種類があるが、このうち取扱量に占める鮮魚の割合は中央卸売市場の全国平均が48%であるのに対し、本市の場合は86%もあり、本市の鮮魚市場関係者がいかに鮮魚での販売を大事にしているかのあらわれである。また、このこだわりのおかげで市民はいつの時期でも新鮮な魚を刺身で食べることができ、魚がおいしいまち福岡の魅力が維持できていることを忘れてはならない。今回の鮮魚市場における高度衛生管理整備事業についても、他都市の市場と違う福岡のこだわりを守り、一層の市場の魅力向上につながるものでなければならず、鮮魚市場としても、取扱高をふやすとともに、さらに安全安心を確保するため、高度衛生化に向けてしっかりと取り組まれたい。また、事業の実施に当たっては、水産業を取り巻く環境が厳しい中、市場関係者の負担とならないよう、運搬車両の電動化のための補助などの支援を行うとともに、仲卸売場を含めた鮮魚市場全体としての高度衛生管理の取り組みをしっかり推進するよう強く要望する。

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津田
信太郎

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